吉本隆明さんのやってきたこと

2012年3月20日 ほぼ日今日のダーリン(糸井重里)より
このコラムの文章は次の日に消えてしまい、あまりに残念なのでこちらで紹介させて頂きます。

<吉本隆明さんのやってきたこと。>

 ずうっと、大多数の「うまいこと言えない」人々を、
 応援し手伝おうとしてきた。
 ほんとうは、じぶんが「うまいこと言えない」人だった。
 「うまいこと言えない」人が、うまいこと言えたとき、
 世界は「ほんとう」を見て、凍りつく。
 
・「うまいこと言う」のが仕事であったり、
 「うまいこと言う」ことで、
 じぶんを有利にしようとする人たちに、
 「うまいこと言えない」人たちが
 惑わされないようにするための番人でもあった。
 
・「うまいこと言えない」人たちだって、
 じぶんの商いの場面では「うまいこと言う」し、
 生活を豊かにするための「うまいこと言う」場面なら、
 いくらでも持ちあわせている。
 ものを拵えることも、恋し睦むことも、
 「うまいこと言う」のが仕事の人たちよりも、
 ずうっと「うまくやれる」のだから、
 馬鹿にしていたら痛い目に合わされるよ、えっへっへ。

・「これまでやってきた仕事を、
  ひとつに繋ぐ話をしてみたい」と、
 晩年『芸術言語論』と題した講演をまとめた。
 提案してきたとき、まだこのタイトルはなかった。
 よく見えない目で天空を仰ぎ、そこで語ったのは、
 「沈黙=言わない・言えない」の尊い価値だった。
 「うまいこと言えない」人たちに、
 それを伝えたかったのだと思った。
 
・ずっと「うまいこと言えない」ことは、弱さだった。
 大人の前で子どもは、男の前で女は、国家の前で民は、
 人間の前で犬猫は、知識の前で非知は、弱いものだった。
 そして「うまいこと言う」ことは、武器であった。
 しかし、その弱さを蔑ろにしたことこそが、
 武器を使う人間の弱さであり、落し穴なのである。
 ほんとうは、世界は、まるっきり
 「ひっくりがえし」なのだと、吉本隆明は言い続けた。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
吉本さんは、骨と煙になりましたが、そこここにいます。
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by awakeningarts | 2012-03-21 01:48 | 素敵な催し/人々ご紹介 | Trackback | Comments(0)
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